すでに多くの仕様がT社車に使われるようになり、レクサス車にしか使われない仕様は、自動位置調整機能付きのハンドル、自動開閉ウインドウなどに限られるようになった。
しかし、最も開発費のかかるエンジンを含む動力系のシステムであるパワートレィンについては、共有化が開発コスト削減と開発期間の短縮に不可欠だと認識されながらもなかなか実現できなかった。
1997年10月に投入されたV8エンジン搭載のGS400も当初はパワートレィンをT社車と共有する方針で進められたが、結局、T社車とプラットフォームを共有せず、独自のパワートレインで開発された。
GS400は、V8エンジンの搭載でそれまでの欠点だったエンジンの力不足を解決したことが評価され、売上げを伸ばした。
RX300は原価が低く、トョタブランドでも十分に台数も利益も出せた。
1999年ごろになってレクサスの品質に対する満足度が急激に低下した。
LS400投入後十年を経て「レクサス」の商品群は増えており、T社ブランド車に混じってレクサスが製造されるなど、レクサスブランドにばらつきが出たことが背景にあった。
1999年の購入後3ヵ月の車に対するJ・D・パワーの初期品質調査では、それまで1位を続けていたレクサス・ブランドは6位まで低下、ディーラーたちはRX300などの品質改善をしきりと訴えるようになった。
レクサス・オーナーズ・アドバイザリー・フォーラム高橋の指示に基づき、田原工場の品質管理部長だった梅基一夫は、オールT社を巻きこんだ「オールT社・レクサス品質向上連絡会」を結成した。
梅基は、開発を担当する技術部をはじめ、品質保証部、車両物流部、レクサスの製造を担当する6工場、海外サービス部、米国T社販売レクサス部、海外企画部、海外営業部が連絡会に参加するようにした。
1999年、T社自動車のチーフエンジニアや品質管理責任者、商品企画、ブランド担当者など、レクサスの開発にかかわるT社本社の主要メンバーと、米国の顧客とが直接語り合う場として「レクサス・オーナーズ・アドバイザリー・フォーラム」が設けられた。
それまではクルマの開発にあたり、チーフエンジニアやデザイナーが個人的に米国に訪問して確かめていたが、これを機会に本社の担当者がレクサスの既存の顧客の自宅を訪問してインタビューしたり、競合他社の顧客などを集めてのフォーカス・インタビューやディーラー訪問なども1週間にわたって始めたところもあった。
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